特別養護老人ホーム 縁JOYのブログ

ツバメの雛の保護

先日、職員が大慌てでやってきました。手の上には小さなツバメ。

「ラーメン屋に行こうと運転していたら、道路にツバメが落ちて動かなくなっていて、車にひかれそうだったので拾ってきました!どうすればいいでしょう?怪我してますか!動物病院ですか?」と・・・

本来、ある程度羽が生えていて、巣から飛び立とうとして落ちている雛は拾ってこないことが原則…

このヒナも、ところどころにぽやぽやした毛はあるも、ほとんどの羽が生えそろっているため、飛ぶ練習をしていて行き倒れたといったところでしょう。

でも、すでに拾ってきてしまっており、またいつから動けなくなっていたのか、かなりぐったりしています。

個人的な経験則として、こういう時に一番大事なのは、いかに早く餌を食べさせるか、ということ。

鳥というのは、こまめに餌を食べて排泄する生き物なので、すぐエネルギー切れを起こして動けなくなるので、とりあえず脅かさず動かさず、すぐにエサをどんどん食べさせると、わりと元気になったりするものです。

そのため、拾ってきた職員に「すぐにバッタをとってきなさい!」と指示。施設の裏庭で4匹のオンブバッタを捕獲し、すぐに給餌しました。そして、段ボール箱で暗くして2時間。

ぐったりと動けなくなっていた2時間前とは違い、こちらをみて逃げようとするくらいには元気になっていました。

そしてまたバッタを3匹・・・

さて、ここでどうするか・・・夕方になる前の今すぐに放すか、一晩さらに栄養補給をして朝に放すか。

後者にするということなので、ホームセンターでミルワームを買ってくるように指示。

買ってきたミルワームを早速5匹ほど食べさせ・・・

「こんなに食べるんですね」とびっくりされるのですが、親鳥は蚊やハエなどの小さな虫を1日100匹以上与えているなど言われていますので、こまめに食べたがるだけ与えるのが重要になります。自分でそれだけの量の虫を取ってくることはまず難しいので、一晩面倒を見るつもりであれば、ミルワームなどを買って与えるのが一番です。

飛ばせようとしてみると、しっかり羽ばたくことができていますので、怪我をしている様子もなし。

動けなくなっていたのは、エネルギー切れか暑さのせいだったのでしょう。

この後、夜、翌朝にこまめにミルワームを与え、元気になっていたら、拾ったところに連れて行って放すように説明。そしてツバメの雛は、職員と一緒に帰っていきました。

翌日出勤した職員に尋ねたところ、いっぱい食べさせたら、翌朝にはもっと元気になっていて、出勤前に拾った場所に連れていき放したら、羽ばたいて見えないところまで飛んでいきました、と。

野鳥を拾うと、可愛さから放すのが嫌になったりするのですが、そもそも野鳥は飼ってはいけないし、雛を長期飼育するのはかなり難しく残念な結末を迎えることがほとんどです。

今回みたいに、一晩保護で元気になって飛び立てるのが一番!

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